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ニューズレター(第3号)

学生リレー日記 第3回 刑弁やるなら大宮ロー
1 今回のテーマ
僕は文章を書くのが下手です。しかし、好きです。だから、何か書けと言われれば、
すらすら書く方なのですが、今回は筆が進みません。それは何故でしょう?おそらく、「大宮のメリット」という漠然としたテーマを、法科大学院入学を考えている方一般に伝えようとしてしまったから、そう考えました。
そこで、テーマを絞ることに決めました。「刑弁やるなら大宮ロー」、今回はこのテーマでいきます。刑事弁護士(以後、刑弁)志望者は社会人経験を重視する学校ほど少ないと思われ、このリレー日記の主たる読者が、全国一それを重視する大宮の志望者の方々であるとするならば、ニーズのないテーマかもしれませんが、大宮で少数派の中の少数派である新卒・刑弁志望の僕がリレー日記を書くことを要請された趣旨を考えるならば、書かないわけにはいきません。



2 刑弁やるなら大宮ロー
そんなわけで、本題に入ります。刑弁志望者にとって大宮が良い理由ですが、まずはカリキュラムを他校と比べてみてください。僕は30校くらいのものしか見ていませんが、見た限りにおいて、大宮と同じくらい刑事弁護・刑事法関連科目が充実している学校は2、3校しかありませんでした。しかも、それらはいずれも規模の大きな学校なので、少人数で、より深い議論ができ、より充実した教育を受けられるのは大宮なのではないでしょうか。
そして、公表されているカリキュラム以外で重要なことは、大宮ではカリキュラムの外でも実務家の先生に指導してもらえる機会が提供されていることなのです。


news03_01.jpgその一つは裁判傍聴会です。
裁判傍聴は誰でもいつでもできるので、傍聴しに来てよいというだけのものなら、殊更、刑弁志望者にとってメリットにはなりませんが、傍聴を終えた後、事件を担当された先生から、刑事訴訟法との関係を説明してもらえたり、弁護方針に関する質問をしたりすることができ、その点に大きなメリットがあるのです。
もう一つは刑事弁護の勉強会です。これは、3年次、リーガル・クリニックを担当される櫻井先生の事務所で行われている、本来は、現役の弁護士と司法修習生が対象のものなのですが、櫻井先生の特別の取り計らいにより、参加をお許しいただいているのです。

そして、その内容は、弁護士の先生が実際に受けた事件を素材に、具体的に弁護方針を練る、接見や尋問のシミュレーションをする、というものなのですが、実践的な勉強が好きな学生にはたまらなく楽しいです。
このような裁判傍聴会が前期だけで4回、勉強会が5回行われ、実務基礎科目のプレ授業的なものになっています。しかし、これらは公表されているカリキュラムの外のものなので、刑弁志望の方には是非、知っていただきたい、と思い、ここで紹介しました。


3 刑弁志望の方へのメッセージ
このように、刑弁志望者にとって大宮は最適の学校なのですが、実は大宮の刑弁志望者は大変少ないのです。その理由は、冒頭で少し述べた通り、大宮が社会人経験を重視する学校で、社会人経験をお持ちの方はその経験を活かした仕事をすることを志している場合が多いからなのでしょう。
しかし、刑弁養成の最高の環境が整えられているのに、あまり利用されないのはもったいない、また、僕としても共通の志を持った人を増やしたい、ということで、刑弁志望で社会人未経験という方にメッセージを。
「刑弁志望だけど、自分には社会人経験ないから大宮は無理だ」と思わないでください。大宮の設置趣旨は「社会の要請に応える弁護士の養成」であり、自分が「社会の要請」に応えられる人材であることさえ証明できれば、入学を認められるのです。それを証明するために必要なのは、適性試験の点数でも、学歴でも、職歴でも、面接のうまさでも、文章のうまさでもありません。最も重要なのは、志ではないでしょうか。
僕は、学識浅く、職歴なし、コミュニケーション能力に乏しく面接も酷く、ついでに言えば語学力など社会に出てから使える何らかの能力も有していなかったのですが、志が買われ採用されました。志を重視する学校は大宮だけではありませんが、刑弁志望者にとって最高の環境が整えられているのは大宮ですから、「日本の刑事弁護は自分が担っていくんだ」という志をお持ちの方は、社会経験の有無やその他の条件を気にせず、是非、大宮に来てください!


4 社会人未経験の方へのメッセージ
そして、新卒の学生として、もう一つ、メッセージを。社会人比率87%、学生の年齢は22〜50歳、平均年齢34歳、ということで「居心地悪くない?」という質問を友人や家族から受けたことが何度かあるので、それにお答えします。
僕は下限の学生ですが(先月23になりましたが)、学友の年齢が離れていることによって居心地が悪いと感じたことは全くありません。年が近い人・離れている人という区別なく、話したり、飲食をともにしたりします。年齢の幅が広いだけ、話の幅が広がるので、それは、むしろマイナスではなくプラスなのではないでしょうか。そんなわけで、社会人未経験の方も、平均年齢等を気にせず、是非、大宮に来てください!


5 幅広く勉強するなら大宮ロー

news03_02.jpg最後に、刑事弁護とは離れた、ニーズのありそうな話も添えたいと思います。
6月30日(水)、上述の裁判傍聴会があったのですが、傍聴後、事件を担当された上田先生に東京三弁護士会の弁護士会館にお連れいただきました。毎回、法律事務所や弁護士会館に行くことができ、弁護士の職場を見て将来の自分を具体的にイメージし、モチベーションを高めることができるので、その意味で、傍聴会は、刑弁志望でない人にも意義あるものなのではないでしょうか。この日に行った弁護士会館は東京地裁の隣にあるスタイリッシュな建物で、二弁の事務所を見ることができたのですが、大変、オープンな造りであり、自由闊達をモットーとする二弁の雰囲気がよく表れている、と感じられました。

そして、事務所の他、東弁・二弁合同の図書館や二弁会長室を見ることもでき、会長室では副会長の小林先生のお話を伺うことができました。
小林先生からは「最近の修習生には見解を聴いても判例をそのまま答えるのが多いが、自己を持った法律家になってほしい」というメッセージをいただいた他、なぜ東京の弁護士会は分かれているのか、といったいくつかの質問にお答えいただきました。また、この時はやっていなかったので見られなかったのですが、二弁の委員会の様子を見ていっていい、と言ってくださり、この辺りからも二弁が自由闊達であることが伝わってきました。

news03_03.jpg弁護士会館見学を終えた後、「エンターテイメントロイヤーズネットワーク(ELN)」の勉強会があったので、会場である森・濱田松本法律事務所に行きました。ELNは大宮が開催しているものではないのですが、大宮のトップリーダーである久保利先生が理事長をお務めであり、参加している学生が少なくないので、これもまた、プレ授業みたいなものといえるかもしれません。
この日の勉強会のテーマはパブリシティ権でしたが、「スポーツゲームにおける選手の実名使用」や「パブリシティ権と表現の自由の調整」について、この分野で最先端にいる先生方の議論を聴くことができ、大変、勉強になりました。ただ、本当は議論に参加したかったのですが、緊張して挙手できず、その点は少し心残りです。(「刑弁志望のお前が何でエンタメなんだ?」と思われるかもしれませんが、僕はかつてミュージシャン志望であり、また、サッカー・野球・F1 をはじめとするスポーツ大好き人間でもあり、芸術家やスポーツ選手のマネージメントにも深い関心があるので、ELNに参加しています。)
ちなみに、先程、「刑弁やるなら大宮ロー」と謳いましたが、大宮は刑事法以上にビジネス・ローやエンタメ・ローのカリキュラムが充実しているので、幅広い勉強をすることができます。「自分にはこれしかない、と限定せず、幅広く関心を持つべき」という内容のアドバイスを5,6人の先生からしていただいたのですが、用意されているカリキュラムのみならず、学生のバックグラウンドが多様である大宮は、幅広く関心を持ち続けることを可能にする最高の環境が整っているところだと思います。
そんなわけで、刑事、刑事と散々わめいておいてなんですが、これから弁護士を目指す皆さんは、是非、大宮に来てください!(結局、テーマを絞れてなかったですかね…。)




第3回 文責 昼間主JT;23歳、文学部(芸術学専攻)出身、刑事弁護士志望



第2回刑事裁判傍聴会報告—教室と化した法廷—

6月18日午後1時15分より、さいたま地裁合議法廷において、2回目の刑事裁判傍聴会を開催しました。
傍聴した事件は、私・萩原担当の殺人未遂事件の第1回公判で す。約20名の学生が参加し、新屋・上田両先生にもお付き合い頂きました。この事件は、準備の過程で、「殺意と責任能力を争う」ということになり、当日の公判は、2 時前には終了することが予想されたので、終了後2時頃から「埼玉総合法律事務所」 の見学会も予定に組み込みました。


ところが、公判終了後、被告人が退席しても、3人の裁判官は立ち去る様子がありません。そして、裁判長が、今日の傍聴の趣旨を問いかけるので、私が、大宮法科大学院の学生で、裁判の現場に触れることが重要であるとの思いから、傍聴の機会を設けた旨説明したところ、折角だから、質問はありませんかと、裁判長に促され、法廷は、例によって、学生達の活発な質問の場・教室と化してしまいました。検察官にも付き合って貰い、学生の質問に答えて頂きました。
裁判所にはロースクール生が傍聴する旨は話しており、司法研修所教官経験を有する担当裁判長なら、公判が早めに終われば、あるいはこういう事態になるかなと密かに期待した部分はありましたが、思いの外、フランクに語りかけて頂き、学生は自由に質問しておりました。


午後2時頃には、埼玉総合法律事務所に赴く予定でしたが、上記の事情で、同事務所へ向かったのは2時30分を回ってしまいました。
同事務所では、2名の若手弁護士に対応して頂き、事務所内見学と学生との質疑応答に臨んで貰いました。事務所の経営、手持ち事件数・内容、都内に就職しなかった理由、仕事時間、弁護士としてのやりがい、事務員の仕事、東京の弁護士との違い等様々な質疑応答がなされ、上田先生からも都内の弁護士の立場からのご発言を頂きました。


3時30分を回って、今度は、埼玉弁護士会館にて、本日の傍聴事件のレクチャーを行いました。これには新屋先生にも参加頂き、学生の矢継ぎ早の質問に答えることとなりました。5時30分頃までディスカッションは続きました。
当日の裁判は、否認事件の第1回公判であり、人定質問に始まって、検察官の起訴状朗読、冒頭陳述、証拠請求に対する弁護人の意見、同意証拠の取り調べまで進みましたが、途中で、検察官による求釈明とこれに対する弁護人の意見といった応酬もあり、学生にとっては興味深かったのでないかと思います。
弁護士会館では、第1回公判手続きの流れ、伝聞法則の説明等行いました。刑事訴訟法の講義が始まっていないので、充分に理解できたとは思えませんが、実際の事件を見ての説明を聞いていれば、後の講義の際に今日の事を思い出し、理解を深めることができると思います。


そんなわけで、裁判所も検察庁も、ロースクール生には便宜を図ろうとの意思が充分に見て取れました。ロースクール生の実務教育について、この埼玉で、良い意味の協力関係を築いて行こうと思っています。



萩原 猛





編集後記

前期終了まであと1ヶ月を残すところとなりました。4月に出発して(いや、昨年の設置認可申請の頃から)ひたすら走り続けてきましたが、第1コーナーを通過というところでしょうか。しかし教員・学生とも「ほっと一息」などとは程遠い日々が続いています。夏の間は、前期に見えた問題点を改善しつつ、学生の皆さんに十分提供できなかった情報があればそれを補い、さらに教室での座学とは違った大宮らしいサマー・プログラムを提供したいと考えています。

第3号では、若手の学生に登場して貰い、フレッシュな感性の一端を披露して頂きました。


                                      2004.07.05 

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