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「学生刑事記録閲覧問題についての新聞報道」に対するコメント

 2006年11月4日付ジャパンタイムズ、同5日付朝日新聞において、相次いで本学「刑事クリニック」に関する報道がなされました。この件に関し、本学クリニック・エクスターンシップカリキュラム運営の責任者として、コメント致します。

 本学は、開学当初より、学生に対し、臨床法学教育について人的・物的に充実した学習環境を提供してきました。法科大学院が専門職養成の機関である以上、医師を始めとする他の専門職と同様に、学生に臨床の場を体験させながら法実務を学ばせることは、「良き専門職」を養成する重要な方策であると共に、司法制度改革審議会意見書の提言する「理論と実務の架橋」を高度に実現する教育手法と考えたからです。

 今回の新聞報道では必ずしも明確ではありませんが、本学学生が「刑事クリニック」を履修するには、本学がさいたま地方検察庁宛に提出した「要請書」(*)で述べたように、厳しい前提条件があり、守秘の措置については、現在の司法修習生以上の、万全を期しています。

 臨床法学教育は、今日、アメリカ合衆国のみならず、カナダ、英国、ポーランド、中国等、世界中の法曹養成教育において採用されています。そして、わが国においても、司法修習生の実務修習期間が短縮されたことをも踏まえれば、従来司法修習が担ってきた実務修習は法科大学院における臨床法学教育に移行させていかなければ、学生に対し充分な実務教育を行い得ず、国民・社会に対して、われわれは法曹養成を担う者としての責任を果たすことはできないというべきです。

 検察庁が現在の硬直した対応を見直され、臨床法学教育発展のため、そして21世紀の司法を支える法曹養成のために、共に手を携える時が一刻も早く訪れることを願っています。

<最後に、本学学生及び本学入学を目指す皆さんへ>
 検察庁の現在の対応が続く限り、当初想定した理想的な刑事クリニック教育に支障が生じ続けることは否めません。しかし、刑事クリニックを履修しようとの意欲ある学生の皆さんを失望させることは決してない、ということをお約束します。刑事クリニック担当教員は、今ある環境の中で、知恵と工夫を凝らし、最大限の教育サービスを提供する覚悟です。どんな困難に遭遇しても決して諦めない、実は、それが最も大切な「刑事弁護の精神」ですから。この件で、履修や入学を躊躇することは無用です。

2006年11月7日本学クリニック・エクスターンシップ委員会 委員長 教授・弁護士 萩原 猛

(*)参考資料:さいたま地方検察庁宛要請書(PDF)

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