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大宮法科大学院大学 今週の大宮法科

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今週の大宮法科

クリニック活動報告

2006年06月27日 10:25

学内刑事クリニックを履修して(学生の感想(3名より))

【学内刑事クリニックを履修して】感想1

1.履修前の期待と実際
履修前、クリニックに期待していたのは、「実際の事件に触れて、弁護士の生の活動を体験すること」でした。  一方で、クリニック活動自体が刑法や刑事訴訟法の(とりわけ司法試験を意識した)勉強の役に立つかどうかについては、あまり期待していませんでした(期待して裏切られても嫌なので)。特に、刑法については、教科書に書かれているような、言い方は悪いですが「ありそうもない事態を想定した理論的な議論」が、実際の事件で問題になるとはとても思えませんでした。

実際にやってみると、「実際の事件に触れて、弁護士の生の活動を体験すること」は当然期待通り(かそれ以上)に満足されましたし、刑事実体法・手続法の学習にとても役に立つことがわかりました。どのように役に立ったか、以下に整理してみます。

(1) 条文や基本書を読む。

先生がリードして下さったこともありますが、事件に対する対応を検討するにあたって、条文や基本書を自然に読むようになりました。
実際の事件では、事件の進展状態に応じて、「今、何をしなければならないか」ということがあり、多くの場合、それは法律の規定に従って手続を踏む必要がありますので、どのように手続が規定されているかを知らなければなりません。そこで、ごく自然に六法を開いて条文を探し、その条文がどのように理解されているのかをコンメンタールで確認し、その手続の周辺にどのような議論がされているかを基本書でチェックする、という習慣がつきました。
実体法についても、依頼人たる被疑者・被告人の利益を最大限に図るためには、裁判所にしてもらいたい認定がなされるように、実体法上の構成を考えなければなりませんので、同じように六法、コンメ、基本書を開くようになりました。
実体法・手続法のどちらにも言えることですが、裁判所がどう処理するかを無視しては被疑者・被告人の利益は図れませんので、判例・実務がどうなっているかも当然に調べるようになりました。

(2) 事実に着目する。

事件に取り組む場合、捜査機関の収集した資料への依存がどうしても多くなります。また、被疑者・被告人から話しを聞こうにも、身体拘束されている場合(ほとんどの場合がそうですが)、ロー生は秘密接見を認めてもらえない実務となってしまっているため、先生が秘密接見した内容を聞くしかなく、被疑者・被告人の生の声を聞くことはできません。そこで、調書を読んだり、先生からの話しを聞いて、どのような事案なのかを自分の中でイメージしていくことになりますが、この作業は、司法試験で求められる「事例を読んで問題に取り組む」ことと重なり合うものだと思います。しかも、試験と実際の事件とでは、不必要な情報が混在している比率がまったく違いますし、事件では解答が存在するように作られているわけでもなく、ヒントが隠されているということもありません。そこで、調書等を読んで「何かないか」と考えていくことになり、些細な記述にも注意を向けるように訓練されていきました。

(3) 根拠づけ・主張の構成を考え、文章化する。

事件では、「被疑者・被告人の身体拘束を解く」とか「被疑者が不起訴になるようにする」とか「被告人が無罪に、それが無理なら執行猶予に、それも無理ならできるだけ軽い刑に、なるようにする」といった弁護活動の目的の達成に向けて、いろいろは手段を考えますが、いずれにしてもその根拠をきちんと示し、論理的な主張が構成できるようにしなければなりません。この作業は試験問題への向き合い方と共通する部分が多いと思います。試験で「罪責について事実を示して論ぜよ」と問われるようなケースは典型的ですが、事件ではまさにそれを実践し、申立書や弁論の起案をすることで実際に文章に起こしますので、かなりの訓練になったと思います。

2.履修の負荷・面白さ

履修の負荷は、一週あたり「セミナー2時間、その他6時間」ですが、セミナーは土曜の1限に出席することで満たされますし、扱っている事件が公判となれば、公判の傍聴とその後のミーティングで1時間や2時間はすぐに充足しますし、さまざまな書面の起案と、その起案をするための記録読みや基本書チェック等を必然的にしますので、自然に上記時間要件は満たしてしまいます。
そうした活動が「大変か」という点ですが、「自然に」と書いたとおり、負荷がきついと感じたことはありませんでした。先生も、各学生が異なる事情を抱えていることに相当の配慮をして下さいますし、先に書いたとおり、活動自体が司法試験の勉強の役に立ちますので、負荷の心配は不要だと思います。
面白いか、という点については、自信を持って「然り」とお答えできます。弁護士になろうというのですから、クリニック活動が面白いと思えないようなことはあり得ないと思います。

(牛木純郎)夜間主3年

投稿者 omiyalaw

2006年11月07日 13:38

「学生刑事記録閲覧問題についての新聞報道」に対するコメント

 2006年11月4日付ジャパンタイムズ、同5日付朝日新聞において、相次いで本学「刑事クリニック」に関する報道がなされました。この件に関し、本学クリニック・エクスターンシップカリキュラム運営の責任者として、コメント致します。

 本学は、開学当初より、学生に対し、臨床法学教育について人的・物的に充実した学習環境を提供してきました。法科大学院が専門職養成の機関である以上、医師を始めとする他の専門職と同様に、学生に臨床の場を体験させながら法実務を学ばせることは、「良き専門職」を養成する重要な方策であると共に、司法制度改革審議会意見書の提言する「理論と実務の架橋」を高度に実現する教育手法と考えたからです。

 今回の新聞報道では必ずしも明確ではありませんが、本学学生が「刑事クリニック」を履修するには、本学がさいたま地方検察庁宛に提出した「要請書」(*)で述べたように、厳しい前提条件があり、守秘の措置については、現在の司法修習生以上の、万全を期しています。

 臨床法学教育は、今日、アメリカ合衆国のみならず、カナダ、英国、ポーランド、中国等、世界中の法曹養成教育において採用されています。そして、わが国においても、司法修習生の実務修習期間が短縮されたことをも踏まえれば、従来司法修習が担ってきた実務修習は法科大学院における臨床法学教育に移行させていかなければ、学生に対し充分な実務教育を行い得ず、国民・社会に対して、われわれは法曹養成を担う者としての責任を果たすことはできないというべきです。

 検察庁が現在の硬直した対応を見直され、臨床法学教育発展のため、そして21世紀の司法を支える法曹養成のために、共に手を携える時が一刻も早く訪れることを願っています。

<最後に、本学学生及び本学入学を目指す皆さんへ>
 検察庁の現在の対応が続く限り、当初想定した理想的な刑事クリニック教育に支障が生じ続けることは否めません。しかし、刑事クリニックを履修しようとの意欲ある学生の皆さんを失望させることは決してない、ということをお約束します。刑事クリニック担当教員は、今ある環境の中で、知恵と工夫を凝らし、最大限の教育サービスを提供する覚悟です。どんな困難に遭遇しても決して諦めない、実は、それが最も大切な「刑事弁護の精神」ですから。この件で、履修や入学を躊躇することは無用です。

2006年11月7日本学クリニック・エクスターンシップ委員会 委員長 教授・弁護士 萩原 猛

(*)参考資料:さいたま地方検察庁宛要請書(PDF)

投稿者 omiyalaw

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