私が薦める勉強法
S.Tさん 3期生(平成21年3月修了)昼間主コース
私の実践した勉強法は、自分だけのノートを地道に作るというものです。それが良い勉強法だと思う理由は、知識が「整理」されながら「着実に記憶」されていくからです。
勉強で一番恐ろしいのは、知らない・理解できないことではないと思います。これは単に勉強不足です。勉強量を確保し、様々な文献にあたり、先生に聞けば解決します。恐ろしいのは、理解したことを忘れることです。記憶はどんどんチーズのように穴が開いていきますが、それを放っておいて、記憶できている部分とそうでない部分の区別を普段から認識できていない状態を生むことが、一番恐ろしいことだと思います。
そうすると、穴があいている部分を埋めるための学習の契機を、偶然にまかせるということになります。記憶の穴埋め作業を無計画に行うのですから、いつまでたっても終わりません。そうこうしている内に、どんどん穴は開いていきます。
人間は忘れる生き物です。これをしっかりと、念頭においた勉強をしなければなりません。そして私は、記憶の穴埋め作業を適切に行うために適切なのが、ノート作りだと思うのです。
例えば、ある複雑な論点等について、時間をかけてやっと理解できたということがあります。大体の場合すっかり忘れます。次にその論点に出会うと、「ああ、この論点理解したことあるのに」と嘆き、また、時間をかけて理解しようとします。前はたまたま頭が冴えていたから理解できましたが、今回は諦めてしまう可能性もあります。これを繰り返してしまう人は私に限らずたくさんいるでしょう。私は、時間をかけて理解したような場合は、面倒くさがらずに、その長い思考過程をそのまま自分の言葉でノートに書き記すようにしました。そうすれば、自分がその論点を忘れたという事実、それをどうやって理解したのかという事実が資料として残ります。そして、それが積み重なると、今度は、偶然ではなく必然的に、「自分がかつて忘れたことがある」知識を自分の意思によって簡単に勉強することができるようになります。作ったノートを読み返すことが、まさにその行為となるからです。
そうして整理されていった記憶は、次の知識を理解・記憶するための土台となり、さらなる深い学習を可能にしました。こうした着実な記憶作業が自分に自信をもたらし、最終的には合格に導いてくれたのだと思います。
また、私が心がけていたこととして、積極的に知的好奇心を持って勉強をするということがあります。予備校本は、非常に整理されているので、直前期の効率的な勉強法としては良いかもしれません。しかし、試験に必要な知識の幅を狭める危険性もあると思います。「これを読んで記憶すれば大丈夫」なのではなくて、「これを全て理解し記憶していれば大丈夫」なのです。理解するためには、他の文献や論文を読んだり、実際の判例を1審から読んだり、調査官解説等を読んだりすることが不可欠です。そして、そんな面倒くさい行為を自分にさせるためには、もっと知りたいという知的好奇心を積極的に持つことが必要なのではないかと思うのです。
以上が、私の薦める勉強法です。自分勝手に抽象的な話をしてしまいましたが、これから受験する皆様の何かのお役に立てばと思い、書かせていただきました。大宮から多数の合格者が出ることを、心から望んでおります。
「合格にむけて」
Y.Yさん 2期生(平成20年3月修了)昼間主コース
合格という結果をおさめるにあたり、多大なる支援をして下さった本学の先生方ならびに職員のみなさまに心より感謝申し上げます。特に、昨年の不合格の発表後に支えになって下さった先生には厚く厚くお礼申し上げます。
新司法試験をクリアするには、絶対的な勉強量が必要とされるのは当然のことながら、勉強の方向性が極めて重要です。勉強の方向性について、私が思うところを述べさせて頂きたいと思います。
1.短答について
とにもかくにも条文が重要です。こまめに条文を引き、マークを付けるということが重要です。短答対策には血のにじむような努力が必要ですが、これをこなせば成績が飛躍的に伸びます。上位10%以内を目指して下さい。できます。
2.論文について
論文式試験において求められる能力は「基本知識」および「思考能力」に尽きると考えています。答練では復習が最重要です。先生方をフル活用しましょう。
(1)基本知識に関して
本学の授業で教わる内容で論文対策としては十分と思います。ただ、基本知識の定着には繰り返しが必要です。基本書を繰り返し読む、予備校の講座をとる等手段はいずれでも構いません。ひたすら根気よく繰り返すことです。
(2)思考能力に関して
この思考能力とは、全く知らないこと・いままで考えたことがなかったことが問われた場合に、いかに地頭で考えこれを表現するかという意味です。この点についてはあまり意識されていなかったかもしれませんが、今年の本試験ではこの能力が極めて強く要求されていたと思います。このことを常に意識しながら論文の勉強をしてください。本試験過去問の徹底的な研究が有効です。
3.短答と論文の勉強量の割合について
短答の総合評価への影響力は無視できないことや短答式は確実な得点源となることから、短答の試験対策は論文の試験対策と同程度に重要です。私は本試験までの9ヶ月間を通し、両者を1:1の比重で勉強しました。
4.最後に
根拠のない自信でも結構です。とにかく、絶対に合格するんだという自信をもってください。不思議なことに実力は自信に伴ってついてきます。
みなさんの朗報を心待ちにしております。
「でも、あきらめたくない」
M.Oさん 2期生(平成20年3月修了)夜間主コース
私は政治学科を卒業し、現在は不動産ファンド運営会社に勤務している。実務で法律と関わるにつれて基礎となる法律の素養がほしいと痛感し、仕事を続けるために夜間コースに入学した。
充分な勉強時間が取れず早々に消化不良を起こし、生活時間の使い方を全面的に見直した。まとまった時間がなくでもこま切れの空き時間を拾う。勉強に専念できる時間帯は僅かでも「ながら勉強」の機会は作れる。まとまった時間を確保して勉強に集中するのに比べたら質は劣るが「やらないよりマシ」と割り切った。予習資料の精読が難しい日、出席だけで精一杯のとき、提出課題を充分に練れない場合、「ゼロよりマシ」と信じ、斜め読みでも全部読む、遅れて授業に飛び込む、不本意な内容でも提出。悔しいが昨日よりは前進だと言い聞かせた。出席する100分の授業時間は、確実に勉強に専念できる貴重な時間帯。授業を聞きノートまとめまで100分で完結させるよう努め、積み残しの処理は帰りの電車まで、とした。反復が無理なら1回で済ませよう、諦めるよりマシ、と。3年生の夏頃から始めた8科目の受験準備も同じ姿勢で臨んだ。半年で8科目、次は半分…直前は3日で全科目、不完全でも前進し、その分回数を稼いだ。授業の履修も立派な受験準備の1つ、と、ノートを直前見直しに使えるように作り、期末試験は本番の予行演習とみた。択一答練は解説時間内で確認と判例六法への転記をし、復習を自宅に持ち込まなかった。1回目の不合格後。知識を得た後で演習という考えを捨て、演習で失敗して知識を増やすことにした。学内には時間内に書く演習の他、時間度外視で自己ベストの論文を書いて出す演習がある。提出までは起案に苦しみ、提出後は自己ベストへの厳しい指摘に落ち込む。しかし続けるうち「書きたい論文像」が明確になったのは大きな収穫だった。演習の後は、納得したあらすじと苦手な論点をルーズリーフ1枚に書いて貯めた。手がけた問題の分だけだが、弱点の見直しに役立った。
もちろんこれは法科大学院生の最良の勉強方法ではない。それでも仕事・育児・介護等、時間の制約を負う方々にあきらめない理由をお示しできることになるなら、非常にうれしい。
かけもちも悪いことばかりではなかった。学修に挫折しても翌朝は出社・仕事、立ち尽くしてもいられず少し前進。その繰り返し。
学修と仕事は車の両輪…とは、さすがに言い過ぎだろうが。
私の実践をご参考までに
H.Oさん 2期生(平成20年3月修了)夜間主コース
以下、私の実践した方法が、皆様独自の勉強方法を生み出す一助になれば幸いです。
1.法科大学院の授業
(1)授業を活用し、定期試験にこだわる
法科大学院は受験資格を得る手段に過ぎないので、単位さえ取得できればよく、授業は重要視しない、との意見を学内外で聞いたことがあります。しかし、既習者ならばいざ知らず、未修者が知識や考え方を習得するためには、授業を活用し、定期試験に向けて努力を払うことが、効果的かつ効率的なはずです。
(2)復習を中心に据える
予習段階で完全な理解を得ることは不可能なので、予習は疑問点を見つけ出す手段と位置づけました。授業は疑問点解消の場です。復習時には、基本書該当部分に読み直し、および要点をノートにまとめる作業をしました。
(3)復習は累積的に行う
たとえば、8回目の授業後に行う復習は、8回目の要点整理に加え、1回目から7回目までのノートを読み返し、記憶、理解を新たにしました。反復により、知識が定着したと思います。
2.本試験の準備
(1)論証は自分で考案する
問題集の論証表現はそのままでは使わず、必ず基本書や判例から自分独自の論証表現を考案してノートにまとめ、キーワードと論理の流れを理解、記憶しました。理解が深まると同時に、忘れにくいという利点があります。
(2)一行問題の重視
これは昨年の合格者からアドバイスを受けた事項です。題材としては旧試験過去問や市販問題集を使用します。新試験では一行問題の形式はありませんが、複数の制度や条文に通底する原理とその例外を理解するために、一行問題は格好の材料です。
(3)常に「なぜか」を考える
答案で論点として採りあげて論ずる理由はなぜなのか、どうしてこのような規範となるのか、なぜこの事実を摘示して当てはめに用いるのか、すべて理由があるはずです。答案では必ず理由付けを明記するよう心がけ、また、普段の勉強でも意識しました。
以上














